『振り返れ!「いきなり本読み!」 ~あの時何かが起こったね~』

岩井秀人プレゼンツ“客前で台本読み初回”イベント。を収録したものを皆で見る会です。本番のほうは行けなかったのですが、こちらは行くことができました。渋谷のロフトヘブン。縦長の客席、前向きに並べられた椅子、映像を見るため薄暗がりにした場内にほのかに漂うカレーかパスタか何かの香り。途中ふと夜の飛行機内の気分になった。
イベントは途中休憩1回挟んで2時間半ほど。元のイベントが同じくらいの尺で、こちらは岩井秀人が振り返りトークを挟みつつ進行する形だったので実質全体の半分も見れてないかもしれない。けど個人的にはトークがとにかく面白くて、下手すりゃそっちもっと聞いていたくなるようなところがありました。語り口こそ落ち着いていましたが、舞台上に相槌うつ聞き手がいる訳でもない中で流れるようなマシンガントーク。しかもそれがずっと演劇の話。ボケも例えもソースが演劇。いや多少プロレスとかキン肉マンとかも入りましたけど、この線の演劇見てきた人にとってその共通言語で語られるユーモアと率直に溢れた喋り、相当の娯楽にあたると思う。こういうラジオ始まってくんねえかな。ポッドキャストでもいい。そのくらい私には楽しかった。特に序盤にあった大人計画俳優についてのくだり。聞いたあと興奮で鼻爆発して死んで、暫くそのあとの映像が頭に入ってきませんでした。何せ皆川猿時語りであり、阿部サダヲ語りである。大人計画の俳優は同じ劇団に居ながら全員ジャンルが違う、みたいな話も然りで、岩井秀人が5人くらいいたらそのうちひとりに大人計画論書いてほしいくらいでした。バキバキに現役で演劇界を担っている一人でありながら何て言うんでしょう、観る人の目線も持っているというか。この本読みイベントの企画からしてそう思う。で、実際やってみたら役者が皆さん想像以上に早く出来上がっていってしまうので、その後の段取りを見失ったりもしたとのこと。今回の映像だけ見てると半ば当たり前に見えてしまうけどどうやらそんなこと全然ないんだなというのが口ぶりから伝わってきました。あと、役者が読み取ってるということはつまり台本にちゃんと表現されてるってことなんじゃないのか、とも思うのですが、これに関しては書いた当人が完全に「なんで1回目からあんなにわかるんだろう」みたいな調子なのもちょっと面白かったです。神木隆之介が伸ばし棒「ー」と「~」の読み方の違いについて話していたときも「考えたことなかった」とか言ってたし。テキストに練りこんでる自覚、意外とないのだろうか。自覚を超えた練りこみが発生しているのか。それはそれで凄くないか。神木隆之介岩井秀人がこのイベント考えるにあたって一緒に色々話したのだそうで、そういう一面について聞けたの面白かったし、何より「演技をあまり心でやってない、音でやっている」と発言していたというのが興味深かったです。岩井秀人の役者評価ポイントのひとつ「喉の柔らかさ」の話も、もっと聞きたかった。やはり演劇トーク聞かせてもらう機会もっと増やしてほしい。脚本家や演出家、スタッフ系の話も聞いてみたい。今後この企画で扱ってみたい本の一例として挙げていた作家名がブルー&スカイで、これには個人的に痺れました。「ブルースカイさんの本でやり慣れてる役者と、そうでない役者を呼びたい」と言っていた。池谷のぶえ大倉孝二が来るじゃんかよ。そのときは本番のほうにも行けたらいいなと思います。会場は段差も少なく画面の下半分ほぼ見えなかった。トークのよさで寧ろ満足度が高かったのですが、こういうとき配信でもやってもらえるといいのかなとか思ったり。有料でも。