『キレイ 神様と待ち合わせした女』

フェスティバルホール、大きい。その2階席で見ました。神の視点。そうそう、大阪に滞在したこの日たまたまローカルのラジオ局にウーマンリブの宣伝で宮藤官九郎がゲスト出演していたので聴いたら、チケット売れる劇団の例で常に新感線の名が挙がるのは勿論ながら、「新感線みたいに(売れる劇団に)なりたい?」て聞かれてて痺れました。ここは大阪。とはいえ私が訪れた公演も平日マチネながら一杯のお運びでしたよ。
改めて見ても神木隆之介の「俺よりバカがいた」に入っていく流れが楽しい。調子に乗る神木隆之介の味を覚えさせられてしまっているせいもあるのかもしれない。歌が演技の中にあるというか、役者の歌っていいなーと思わされます。生田絵梨花がケガレのアンバランスさを前より軽やかに乗りこなしていてそれもよかった。過去の公演も含めて何回か見ているとケガレの台詞の端々に特定のリズムがあるような気がして、なんか演出の中に明確な原型があるんだろうなと思う。岩井秀人のジュッテンは別の主人公というか、彼はこの物語の一部になりきらないで別の冒険を生きている感じがちょっとある。たまたま幾つかの時間がこの物語の主人公と重なっているに過ぎないというか。ジュッテンという役の深さがこういう感覚で伝わってくるのも面白い。小池徹平のハリコナ、宇宙を目指すあたりのエネルギー溢れる様がとてもよかった。めちゃくちゃ戦ってる人なんだよな。マジシャンは阿部サダヲの手にかかると立体の面が鮮やかに増す。多面体のルービックキューブ。彼が過去と現在のケガレと同時に話すギミックも、可笑しくも象徴的で、あの人はずっと同じ場所にいるのかもしれない。芝居のあちこちで先頭に立ってくだらない描写を全力体現してたの最高でしたね。マジシャン役あんなことでいいんでしょうか。マジシャンの精神はずっと囚われていたけれど肉体はあんなにも自由だったというか。肉体?なんなんでしょうあれ。ああいうのが宇宙の果てなのかもしれません。楽曲の力が凄まじいこと、見るたび思い知らされる。1曲でひとつのドラマみたいな噛みごたえがあるのよ。歌と、あと歌になったけどかつて歌じゃなかったストレッチャーのくだりは、今も新鮮なインパクトを受ける。あとあと、カネコキネコの完成度ヤバない?『すじがねファンです!』みたいな番組に皆川猿時が取り上げられることがあれば港カヲルもいいけどアレも紹介してほしい。