NODA・MAP 『Q:A Night At The Kabuki』

野田地図、前回公演は前売が買えぬまま結局行けなかったのですが今回は最初の先行でだいぶ前の列を取れた。チケットってそういうものだなと実感する。日曜19時開演で3時間、途中休憩あり。
ロミオとジュリエット」が絡む話とは聞いていて、そのあらすじが休憩を待たずに一幕でどんどん進んでいくので最初ソワソワした。終わっちゃうよ?て。今思えば終わっちゃうこと自体よりもこの枠組みが終わったあとに何が始まるんだろうってことにソワソワしたのかもしれない。一幕は華やかさと楽しさ可笑しさに満ちていて、翻訳して海外で各国現地の人たちにも演ってほしいと思ったし、マンガやアニメや小説や映画になっても喜ばれるエンタテインメントだと感じたし、ずっとこんな時間が続いたらいいと思えた。NODA・MAP初参加の役者さんが多い座組だったというけれどどの人も実に生き生きしててベストマッチだったと思う。広瀬すずの尽きない泉のようなエネルギーとにかく眩しかった。あのパワーが大人じゃないことをずっと感じさせてくれたし、ロミジュリというあっという間のドラマに説得力を加えていた。そういうパワーを松たか子が発さずにいる対比もまたよかった。志尊淳と上川隆也のバランスも凄くよかったな。面影であるところの瑯壬生と愁里愛がああいう風に映っていたということを噛みしめる。思い返していると結局誰の夢だったんだろうなんて気分にもなります。上川隆也の瑯壬生、愛すべき絶妙だった。彼の好きな二次元文化やキャラメルボックスが主人公たるものの描き方を彼の中に育んできたのではないかなと思ったりします。態度に表情に、素晴らしい瞬間が無数ありましたが、個人的には彼が教会で法皇のふざけぶりを無言で見ているときの顔が最高でした。上川隆也ここにありという感じがしましたね。またこの法皇はじめ4役担った橋本さとしが大車輪の活躍。もうほぼずっと面白かったです。それを強さだと言い換えるなら無敵に近い。羽野晶紀のタフさも楽しかったし、竹中直人はビジュアルからもうお任せあれという感じで、実際間近で見ていて楽しかった。ビジュアルといえば伊勢佳世もキレキレでした。声もいいんだよなあ。小松和重はあのシーンの後あの人が死んだりしなくてよかったって思いがしみじみと残りました。あと誰だ、あと野田秀樹。乳母役で出てきてUberのこと言い出したとき「ああー野田さんよかったねえ」とか思ってしまった。乳母のウーバー、とっても野田秀樹的。名作の喉笛に食らいつくような物語の仕掛けも、ザ・野田秀樹だと思います。暫く噛みしめちゃう。松たか子の愁里愛のことついつい考えてしまいます。