松尾スズキプロデュース 東京成人演劇部 vol.1 『命、ギガ長ス』

部活と称したザ・スズナリでの松尾スズキ公演、それは観にいく。座席の前後間隔きゅうきゅうだけど段差しっかりあって大変見やすかった。舞台の床もツルツルの木で部活的な懐かしみを覚える。ああもっとこういうの気さくに気軽にやってくれていいぜ、連載してくれていいぜなどと思う帰り道。実際相当たいへんらしいんでアレですけど。なお本日収録有り。
序盤からこっち声こそ出さないものの口が「かわいい」と動いてしまう松尾スズキの可愛さだった。なんでこんなに可愛いのかよ。最後の最後のシーンで急に、イヤ当然ここまで観てきたからでもあるんだろうけど、50を超えてあの髪型でこの暮らしぶりでも母に息子はこんな風に可愛らしく見えうるんだということが突然山葵の如くに効いてきておそろしかった。母親業とんでもねえな。ベビーカーの話や教授との対比を見るにあの暮らしが肌に迫ってくるような感覚がある。何もなく生きることにトラウマや悲しい原因あれよと求めることが呪いになる。エピソードが繰り返し語られることで整理され磨かれ盛られてゆく様はまさに芸人の如し。あの親子がちょこまかと芸人みたいな動きするくだり可愛らしかったな。落語になるところはもう単純にもっと観ていたいくらいだった。物語の抱く切実さを人物のチャーミングさがワヤッとさせるのだ。安藤玉恵は飾らない様子も飾ってる様子もとにかくチャーミング、脳内が飛び出してくるような勢いでチャーミングでした。