いだてん

田畑政治編、開幕。たった1話で「黙ったほうがいいですよ」と数えきれんほど思わせてくれる男です。そしてこれまでの登場人物の誰にもできなかった大逆転を見せてくれる男。第1回の羽田運動場で金栗四三が与えたそれに匹敵するカタルシスを、彼は"金取ってくる"という形で巻き起こした。孝蔵の火焔太鼓で超絶ブーストをかけながら。田畑と落語の相性、凄まじく良い。基本的には落語を追い抜くスピードで喋るけど、そしてそういうとき大体思慮が追いついていないようだけど、足並みが揃ったときの迫力と説得力よ。クライマックスは勿論のこと、ローズで入手した新元号情報が社に戻って思い出せないときの志ん生とのシンクロも完璧だった。嬉しい。逆にちょっとショックだったのはパリ五輪の報告会での体協の見え方で、同じドラマの筈なのに今日は遠く見えたし少し残念にも見えた。先週までずっと寄り添って見つめてきたけれど、世間からはこんな風に見えていたのかもしれない。それでいて、嘉納先生にくってかかった田畑が投げられたのには「そりゃそうだ」という清々しさがありました。気持ちを引き寄せる力があるのに、好かれようという態度がまったく見られない。なんなの、裕福な生まれのせいなの。三島天狗とぜんぜん違う。