俺の家の話

「あんた達が長袖着てるとき俺は半袖」はどう考えても笑うし、「さくらは俺が好き、俺はプロレスが好き」てうたってんの可笑し過ぎる。食卓は全員バカみたいな心の声で大騒ぎ。手数が過ぎるよ。寿限無のモヤモヤを「遅めの反抗期」と一蹴しながら全力で殴らせもする物語。家族旅行を猛烈な馬力で実現させる寿一を見ていると、このひと顔のよさと人柄の愉快さで見えにくいけどコンプレックスの塊なのかと改めて思う。コンプレックスあるからこんな馬鹿力出せてるのかもとも思う。お母さんのこと覚えてなさすぎなのは大丈夫だろうか。そしてお父さん、えらいひととはいえ相当だらしないぞ。

空気階段単独ライブ『anna』

今年劇場で観る一発目*1。去年チケット取れたのが延期になった末中止となり、改めてチケットを取りました。幸運にして取れたと言っていい。カーテンコールでは、おそらく次回からのチケット最速先行などやる“空気階段ファンクラブ”が発足することが発表されていた。

*1:対して有料配信の公演は今年既に10本いってる。吉本がおねだん1000円切るやつも多数やってて慣らされてってる感が強い。

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俺の家の話

ふざけんなクソジジイって家の外で力の限り叫んだあとで、家にまた戻る。叫んで飛び出していったん終わりにしたい第4話だけど全然そうさせてくれない。脚本家の筆が繰り出す手数が1クールのそれではないのよ。だからってこんなエピソードなくてよかったと、思ってしまうこともまたキツい。1話でお母さんの顔が思い出せないってくだりがあったのもなんだか改めて考えてしまう。家族だからしんどいって話がまたひとつ。め、めんどくせえ。池袋を離れても中年になっても面倒くさいこと全然ある。面倒くせえとかうるせえくらい言っていい。踊介のバカっぽさ、和みますね。永山絢斗流石です。伊藤修子のそろりそろりも最高です。

俺の家の話

舞さんの娘らしさがいちいち愛おしい。パソコンで物色する姿からスタートして今回シルバーカーの一連すべてを自分と地続きに感じられた。家族会議の場面では常にコミカルの先頭に立つ働きを見せている彼女が同時にリアリティも表現している。対照的な次男・踊介のささやかさも良い。ケアマネさんが言ってた「イベント」の発想、この人にも響いてたんだと気づく。経験とともに観山家の面々一人ひとりのモードが変わっていってて、お互いのその様子を見て思うところもあったりすると思う。女のきょうだいも男のきょうだいも、いてくれるの有難いな。寿限無と寿一のやりとりも回を追うごとに少しずつ変わって見えるの良い。寿一はすっかり覆面ヒーロー。慌てて帰って餃子作って間に合わせてるの凄いよ。前の奥さんとのくだりも、縁側でさくらに話した家族旅行貯金のことも、世には多分ありふれてることだけど個人的には一大事だ。その大事ぶりがストンと打ち込まれるように伝わってくる。プロレス観戦してる寿三郎パパの表情素晴らしいな。ずっと父親に褒めてもらえなかった寿一という物語の背骨が3話目にしてバキバキうずく。ジュジュとさくらのお散歩シーンも強力で、私程度の体幹では立っておられんよ。「カッコつかないんで」て言ったときサングラスにマスクだったのに西田敏行のあの笑顔が見えたもんな。「死にたくない」の話は命のことでもありつつ引退の話でもあるように聞こえる。人間は何回か死ぬんだなと思ったり、命の死はでもまたちょっと違うんじゃないかと思ったりした。長州さんはもしや「飛ぶぞ」もそのうち言ってくれるのかしら。

俺の家の話

庭のシーン最高だったな。業務外の態度を見せたさくらも、軽やかに毒気を抜かれた寿一の顔も言葉も、捨てるところがない。捨てるところはしかし振り返るにずっとなかった。リキラリアットも生肉食いも、皆その次の台詞の種を蒔いている。まさかラリアット一発でお能の勘どころが蘇るとはよ。長州力が寿一に言った「好きなものを仕事にしないほうが幸せだ」という言葉も様々な葉脈に流れていく。「対価ははいただく」というさくらの台詞を聞きながら、いつかの大喜利おぎやはぎ小木が出していた回答「お金を払ったんだからちゃんとしてもらったほうがいい」を思い出す。何せさくらちゃんがいるだけでお父さんニコニコできるし立てるのだ。愛情とサービス。使い分け肝心だ。難題だ。今回は親父が息子の、息子が親父のハートブレイクを、先取りで知る回でもありました。家族こそ深入りしない間柄なのかもしれない。なんというかこういうことでスッと引いた目で見る瞬間が大事なのかもしれないと思う。それにつけてもキャスティングが絶妙。ケアマネジャーの荒川良々といいフリースクール伊藤修子といい、現時点で敵か味方かわからんく見える。「敵」な訳はないのに。いつも寿限無のこと書かないうちに終わってしまうな。

俺の家の話

ドラマにおける親父の危篤に私たちは多分慣れている。初回の序盤なら尚更で、そうそうショックを受けることもない。そんな私たちを襲うのが、天から降る悪夢のような親父の晩年大暴れと、地に足めり込ませるような親父の要介護認定である。想像外という現実味が絶妙に苦い。今以上元気でも衰えても嫌なのか。ケアマネジャーの言ってたことは他でも聞いたことあるけど、その権利を取りにいける心でいられるだろうか。要介護1に学習障害に老眼。差別でないレッテルもなんらか響くことはある。実際、寿一42歳の老眼も地味に「ええーもうかよ」の打撃力あった。長瀬智也は2021年もいい顔で、引退試合の一連なぞすべて最高だった。江口のりここれから楽しみで仕方がない。「頭どうしたの」と「いいよね、長男って感じで」の切れ味噛みしめてる。

今年観たナマ物2020

今年は下記15公演に足を運びました。例年の半分くらいか。

壽 新春大歌舞伎/ナカゴー特別劇場『ひゅうちゃんほうろう -堀船の怪談-』/『キレイ 神様と待ち合わせした女』/『喜劇 なにわ夫婦八景』/RADIO EXPO TBSラジオ万博2020/『振り返れ!「いきなり本読み!」〜あの時何かが起こったね〜』/こまつ座『人間合格』/『赤鬼』/プレミアムリーディング『もうラブソングは歌えない』/『星の数ほど星に願いを』/東京No.1親子『夜鷹と夜警』/『ハイスクール人力舎〜秋の学園祭ライブ〜』/ねずみの三銃士『獣道一直線!!!』/『フリムンシスターズ』

払い戻しになって行けなかったのはジョンソン&ジャクソンの梅まつり、劇団⭐︎新感線『偽義経冥界歌』とウーマンリブ『もうがまんできない』、シアターコクーンの『母を逃す』、ゾフィー空気階段の単独、ピューロランドのラバーガール大喜利クラブ。あと今月取った無限大ホールのいろんな人出るやつも払い戻しになった。払い戻しに始まって払い戻しに終わる一年、とか一瞬思ったけどそんな訳はなく、寧ろ始まりは歌舞伎座で贅沢に幕開けていたのだった。来年はまた歌舞伎座に行こう。お笑いも観に行こう。在宅時間が増えてからというもの芸人YouTubeには誇張でなく毎日お世話になった。ラジオにも毎日ラジオエキスポかというほど長時間お世話になった。テレビ番組も劇場公演も配信で見る機会が増えた。そして劇場にこれだけ行くことができている。生活の所々に変化はあれど私個人は愉快な出し物、催し事を吸い込み続けている。皆様も日々の中に楽しみがありますように。今年めちゃくちゃ良い席でアンタッチャブルを見た。来年開催の決まった空気階段単独のチケットを改めて買うことができた。今年儲けたことを高らかに過去と未来の己に自慢していきますし、損した気分はここから取り返していきますわよ。