いだてん

競技から数時間後、ダニエルに連れられてコースを再び回る四三。思い出せなかったり過去のレースとの混濁が見られたり、一緒に振り返って改めてくらくらするような感覚がある。帰り道の路面電車でひとり泣く姿も、こっちまで消えてしまいたくなった。ショックが大きすぎて、翌日聞いたラザロの報せの悲しさも初めはなんだか普通に届かなかったような気がする。どっちがよかったのかふとわからなくなるほど。どっちの道もゴールに続いてはいなかった。だとすれば分かれ道はもっとその前にあったのだ。2階の窓のアニ子に手を振って爽やかに選手団は帰途に就く。オリンピックってこんなに心残りがするものなんだなと、ドラマに少し教えられた気持ちです。四三さんはそんなに沢山喋ってないはずだけどその気持ちというか感覚が物語じゅうに満ち満ちていて、ああ主人公なんだなと思う。このあと田畑政治さんにおいてもこのような気持ちになるのか、まだ想像できない。嘉納先生の「体悪いんだからせめて心くらいしゃんとしたまえ」、言葉だけ切り取れば乱暴ながら、心を強く打つ一言だったと思います。嘉納先生は無神経みたいなところもまあまあ確かにあるけれど、人とその未来をちゃんと見ている人だ。今回の結果に関して嘉納先生たちの責任は重く、そしてあの不屈の前向きさに乗るしかないという意味でも、なんとかしてくれ先生。いざという時ゃクーベルタンでも日本のお偉いさんでも投げてくれ。孝蔵改め朝太の初高座、滅茶苦茶だけどとてもわくわくした。師匠はどう思ったんだろな。初高座のあと、清さんが着物のこと怒らずに「カノージゴローみたいに入れたり出したりすればいい」と言ってくれたの、凄かった。清さんは凄い人だ。あと浅草見てると播磨屋さんに早くまた会いたいなという気持ちになる。無意識のうちに意識しすぎているのかもしれない。