『ロミオとジュリエット』

五十のロミオ、四角いロミオ、4頭身のロミオ。どうして貴方がロミオなの。何故ならオファーが来たからよ。三宅弘城のロミオと森川葵のジュリエット、私にとっては可愛かろうと予想はついていた。他も可愛い人しか出ていない。東京公演の半ば頃と千秋楽の2回行きました。
果たしてロミオは少年だった。おかっぱ頭で超合金少年みたいなパンチ力と不器用さがありました。幾度となく繰り返される「あーあ」の響きを思い出す。溢れまわる言葉と足音の中で、あの虚しい風船みたいなため息。そうなの本当に皆うるせーし、赤塚不二夫の漫画の絵みたいに両腕を身体の真横に開いてドタドタ駆け回る。あの台詞の量と質感を乗りこなす人たち凄いな。ロミオはあれで正しいもの。窓の下でジュリエットが自分のこと語るのを聞いて嬉しくて「だー!」て積まれたレンガを突き飛ばすあたりの一連とか、あんなト書きはないはずだけど正しかった。ジュリエットはもっと無茶苦茶で、シェイクスピアはコレをノリノリで書いてたりするんだろうかと思うとちょっと面白い。森川ジュリエットが気のない人にホント気がないところ相手がかわいそうでとてもよかったです。今野浩喜は大公で出オチをかっさらったりピーターで終始意味不明な言動を放ったり活躍していた。あー裏話きける場があればな。ピーター仕切りのシーンがあって、そこは歴代の『ロミオとジュリエット』で最もカットされやすいシーンとのこと。任せてもらってよかったですね。流石に泣きはしないのだけど、横たわるロミオの唇がまだ温かいという台詞を聞いて急にロミオがどんどん冷たくなっていくのを感じてしまい、とても寂しくなった。観ながら台詞について色々考えた。「食事はどこでしようか」は何なんだ。とか、そういうちょっとした台詞や仕草の仕上げ方で、この公演自体がシェイクスピアに話しかけてる感じもあって面白かったです。