ロロ いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三高等学校『本がまくらじゃ冬眠できない』

秋の早稲田どらま館に図書室登場。演出家と出演者が舞台上に本棚を運び込み本をびっしり詰め、そして開演ブザーが鳴る。その15分ほど前、席上に置かれた登場人物紹介に目をまるくした私がいた。太郎と、朝と、水星と、ビーチ。水星は楽の妹。楽の妹? そう来たか。かくしていつ高2年男子・楽役の大石将弘、今公演はショートカットの高1女子・水星として登場。
正直始まって暫くはうまく女子に変換できないところがあった。制服はスカートだったけど水星という子はそんなに女の子女の子してなかったから。実際女優さんがやったらどうだったかなとか考えたりしていた。でも終わってみて、結果的には絶妙だったのかもと思う。というか、考えさせられてしまった。例えば彼女の親友であるビーチへの感情。図書室の窓から、校庭にいるビーチを静かに見ている水星の瞳にある愛情は、どっちだろう。どっちとか、言うもんじゃないのかもしれないけど、少しの底知れなさがあって、もっと知りたいと思いました。女優さんが演じていたらこの感覚はなかったと思うし、もし水星が楽の妹でなく弟だったら、男の子だったら、そもそもこんな風にビーチと図書室で一緒に過ごす世界は築かれなかっただろう。不思議だな。水星は太郎の会話のときもどんな気持ちだろうと思わせてくれて良かった。俺泣いてるのかと言った太郎は、太郎のことだから本当に気づいてなかったんだろうなと思えて、そこがいい。ふとキングカズのTシャツ着てることに気がついてちょっと面白かったのだけど、サイトで過去公演の写真見たら前も着ていた。ビーチはちょっと3次元にあり得ないような可愛いバランスを持っていて流石だなと思う。久しぶりに見た朝も絶好調の可愛さだった。朝の個性は教室全体にしたら見えにくいかもしれないけどなかなかに確か。みんなそうか。