ほりぶん『牛久沼3』

うなぎを巡る死闘ふたたび。3なので正確には三たびですが、私が見るのは第1弾に続いて2回目です。物語としては1の3年後なので時系列では地続き*1。入場にあたってはとうとうチケットという概念がなくなり、受付で整理番号の紙を受け取って入場時に返すという合理的なシステムになっていました。一方、座席上には配役表とともに過去2作のあらすじ、今作『牛久沼3』のあらすじ、さらに今回初めて、未だ予定のない『牛久沼4』のあらすじまでもがびっしりと記された二つ折りの紙が置かれていた。このままではいつか実際の公演を見ることなくこの白黒両面印刷の紙だけを受け取り続ける日が訪れてしまうのではないか。
ほりぶんメンバーにしてツインタワーのひとり墨井鯨子を欠く今回の牛久沼、川上友里の独り勝ちかとも思われた物語に現れた最終兵器「疲れ知らずさん」。開演前に役名見て1回、舞台上に現れたその風貌を見て1回、社会生活を送る人間とは思えないほどの好戦的な笑みを見てもう1回飛び上がった。演じた女優の名は菊池明明。菊池明明!すげーぞ菊池明明。その顔色*2、その歯並び*3、その四肢*4、その鳴き声*5、全てが脅威。進撃の菊池明明だったし、新世紀菊池明明だった。ちょっと大倉孝二に見てほしいくらい。ケラリーノ・サンドロヴィッチは見ただろうか。心身共に圧倒的な強さで、少年マンガでいうところの非常に魅力的な敵キャラクターでした。川上友里演じるお母さんは前半出てこない*6ので、お母さんコイツに勝てるのだろうかってもうドラゴンボールばりにわくわくしながら見た*7。果たして母のパワー凄まじく、怒涛の勢いで娘を諭す様からサイコーでした。1を観たときにスポーツや総合格闘技に例えましたが、今回はもうゲーム。横スクロールだしRPGだし格ゲーです。7人の女優は時に8ビットに、時にポポポポポという音とともに黒地に白文字の台詞を吐きながら、それでいて血沸き肉踊り、滑って転んでテーピングの臨場感溢れる熱き戦いを見せてくれました。文子ちゃんも錦戸美佐江も八千草さんも懐かしく*8、新たに登場した頑奈*9の絵に描いたようなデビル性、その里親である高峰さんの秘めた狂気も素晴らしいスパイス。あんなにもすれ違った母と娘の、最後は一歩踏み出す幕切れとなっているところがまた面白くて良いです。

*1:ENBUゼミナール卒業公演として行われた2は1の20年後という設定だったとのこと。

*2:とても悪い。

*3:とても良い。

*4:長い。四つん這いで凄い速さで動いたりする。

*5:「メイメイ」。普通に喋りもするのでホント何なんだろうアレ。

*6:ということを開演時の挨拶で川上友里本人から聞いている。

*7:今朝家で『のぞき見ドキュメンタリー100カメ』ジャンプ編集部の回を観たせいもあると思う。

*8:八千草さんに至っては前回と役者さん違うけど、それでも。

*9:「かたくな」。