ナイロン100℃『百年の秘密』

駅の南口が消えてから初めて来る下北沢。方々でお知らせされていたのでさほど不便は感じませんでした。劇団の25周年記念本「SILLY WORKS」を購入して席に着く。重くて大きい、しかしでけえカバンを持ってきているから大丈夫。あのナイロン100℃の記念本たらそうなる。さて『百年の秘密』は6年ぶりの再演です。ナイロン100℃の初演と再演の両方を見る機会もちょっと増えてきた。
席が後方でもちょっと有難く思えるのは舞台全体を、映像効果を端から漏らさず見たいから。セットをなぞり、歪めてまた建て直す。2次元×3次元ってこういうことかもなあと思います。ティルダとコナの真っ直ぐなところと歪んでるところと両方を味わう。味わっているのは、寧ろ観終えてからの時間でなのかもしれない。欠けているものが埋まることは決してないのだけれど、なんというか思いやあこがれを出し続けることでその欠落にとどまらずにいられるような気持ちになれるというか。コナの気持ちを考えれば考えるほどティルダが輝いて見えてくるし、逆もそう。本人の欠落に心を寄せると苦しい。人はずっと不幸だしずっと幸せで、たまたまそれを忘れる時間があるだけなのかもなんていう気にもなります。あと、いいときやいい自分を思い出す時間が。ケラリーノ・サンドロヴィッチが描くかつての輝きの話が私はいつも好きで、その後にどんなひどい日々やひどい自分が訪れようとも、その輝きは嘘にはならないのだった。終わり方に今回私は少しのユーモアも感じて、それがよかったので、どんな風に受け取ってもいいんだよなーと思います。