フロム・ニューヨーク『サソリ退治に使う棒』

フロム・ニューヨークmeetsテニスコート+吉増裕士。コント集のスタイルも取っ払って予告通りのワンストーリーです。各席に置かれたご挨拶の紙にブルー&スカイは、サソリは退治しないことにしたと詫びを述べていた。
そして棒が残った。棒は出てきました。7人のどうかした男も出てきました。誰も本筋を守ってくれない。もちかけた話すべての続きがいとも簡単に奪われ楽しそうに崩されてゆく。振り向いたとて足跡も残らない砂漠だ。しかしそこは劇作家の仕事。内容など何もないと強く印象づけておいて、後から「なんて事だ!あれは内容だった!」と我々に叫ばせるのである。7人体制になっても御三方の魅力は十分に堪能できる。リーダーシップすら感じられる。市川訓睦の極端を、中村たかしの馬鹿さを、心強く思います。ブルー&スカイだって熱演で、なんか納得しながら歩いてるの面白い。吉増裕士の演技力に裏打ちされたイカレ方も輝いていました。テアトロコントでテニスコート神谷が猫ニャーの話してたのを、ブルー&スカイと二人のシーンでふと思い出して、嬉しいんじゃないかなっていう気持ちになったのですが、結果ああいうシーンだったという。いいよね。夢や仲間の大切さ、人間の怖さと素晴らしさも伝えている作品です。それは内容ではないかもしれないけど。