ハイバイ『ヒッキー・ソトニデテミターノ』

再演、東京芸術劇場にて。初演は渋谷のPARCO劇場で、私が初めて観た岩井秀人作品だった。観たあとまっすぐ帰れなくて喫茶店でコーヒー飲んで、一週間後にもう一度観にいった。いい思い出です。あのとき顔と名前を完全に覚えた役者さんのひとり古舘寛治、本日より体調不良のお休みから復帰とのこと。
森田さんの冒険。見ていて何度も手に汗を握る。主に誰かと話すとき。冒険だ、と前に見たときも思ったと思う。でも今回のほうが多量の汗だった気がする。岩井秀人の森田さんが持つ独自の危うさ、ていうとカッコよさそうだな、危なっかしさかな。それを味わいました。現在進行形でデテミてる森田さんの存在が、というか状態が、この物語の中ではとても確かなものに感じられる。あんなに危なげなのに。最後のほうの黒木さんとのやりとり、黒木さんの問いはとても強いし長く続くけど、森田さんがちょっと言った答えが私にとってはやはり印象深いのだった。黒木さんの強さも相変わらずインパクトあるな。敵か味方か黒木さん、てなるけど別に黒木さんは黒木さんである。和夫さんの親が今回男親で、初演のお母さん二人並ぶのとまた違った景色が見えた。和夫さんの描写が増えた部分もあって、彼が自宅に引きこもった年数の間にいろんな時期があったのかなとか考える。考えると頭の中ぐにゃっとなるな。ちょっと怖い。森田さんの妹とお母さんはそれぞれにやっぱりとてもよくて、とてもよい。素晴らしいことだと誇っていい。