八月納涼歌舞伎

第三部「野田版 桜の森の満開の下」へ。野田版の歌舞伎をみるのいつぶりか。兎に角随分久しぶり。贋作のほうは観たことも読んだこともなくて、坂口安吾のはずっと前に読んだもののさほど細かく覚えちゃいない。芝居始まるときに劇場が暗転して、何だかそれだけでも嬉しい気持ちになりました。
観ているのがとても楽しくて、もう追っかけて走り回ってるような気分だった、頭の中が。実際いろんな人が舞台を、花道を駆けずり回ったし。勘九郎脱兎の如く速かったなー。最後のアレに凄く気持ちを持ってかれながらその前のシーンも幾つも思い出したく、でもやっぱりアレのことに思いが巡ってしまう。坂口安吾のは読んだと先に書いたけれども「夜長姫と耳男」のほうは多分読んでいなくって、あとで読んだらあの台詞やその台詞が既にここに在って吃驚しました。そうなると想像する感情景色が耳男っから野田秀樹、だけでなく坂口安吾までもつらぬいて随分と長い風になる。頬という頬が千切れそうだよ。その鬼気と闘争を見つめて小っせえ蛇にされそうです。