大パルコ人3 ステキロックオペラ『サンバイザー兄弟』

池袋、それは東に西武、西に東武がある不思議な街。幼い頃にCMソングで得た有用な知識です。東京芸術劇場もできてから随分来るようになったけど未だにそのくらいしか知識がない。PARCO劇場がお休み中のため大パルコ人第3弾の舞台はサンシャイン劇場。パンフレットには瑛太永山絢斗宮藤官九郎の鼎談があり、怒髪天増子直純氣志團綾小路翔の対談もある*1
そのパンフレットを私は開演前に買いながらたまたますぐに開かず、1幕を見てから休憩時間に挨拶文を読んだのですが、なんかその順序だとちょっとジーンとくるものがあった。前回のバカロックオペラバカの布陣は今にして思えば「どベテラン」である。今回はツートップ総フレッシュ、オープニングだって猛烈フレッシュスタートです。よーかいくんの比重も増し増し。味も密度も、随分と印象違う。瑛太増子直純も魅力的で、それは持ち前のやつもありつつ、今この新天地を乗り越えてるんだっていう進行形が身体に走ってる感じがするからだ。瑛太の堂々やってのけている様子ホントぐっと来ますよ。私が彼の親戚だったなら正月に集まったときいっぱい褒めたい。増子直純もステキです。カタカナのステキは何となく増子兄ィにしっくりこないんじゃないかって気がしてたけど、あの中で一番ステキな人の役だった。愛されていたなあ。バカバカしさ前面に押し出してこその大パルコ人ですが今回愛だの恋だのの切ないところもいくつかの人物にはうっすらとしかし確実にあって、掘り下げればそれなりに複雑で、でその掘り下げなさ加減もチャーミングなのである*2三宅弘城のあの役がラスト間近のあのシーンで金目の前に現れるとこ格好よくて、あのまま感情に煽られてラスボスになる手もあるろうに、そんな暇もない。清野菜名とりょう、女たちそれぞれのバカさも凄くかわいいけれど、バカ。ホントかわいい。ウロ子さんなんかS太郎と来たとき、金目の兄ィを思いやる気持ちになっちゃったもん。愛した人がこんなんなってるの目の前で見せられてどんな気持ちなんだって。でもどこまで行ってもかわいいものになるのは兄ィの「兄ィ力」によるところも大きくて、この物語の終わり方も彼ありきで辿り着いたものだと思う。歌がやっぱり上手くて嬉しくなった。三宅に戻ると、ナイロンみたいな芸も昭和みたいな芸も変な髪型も何でもござれである。あらゆる夢を叶えてくれる、そんな気さえしてくる。少路勇介もアプローチこそ違えど何でもござれ度相当上がっているよ。皆川猿時は、何なんだろう、きっとできないことだって一杯ある筈なのに、ホント凄い。あとだんだんS太郎という存在に哀愁すら感じ始めてる私がいるのだった。S太郎という大河ドラマ。あると思います。ねえよ。そろそろ終わりましょう。宮藤官九郎の役名に関するくだり実にくだらな素晴らしい。あいつ何だかんだ弟感あるよね。

*1:三宅弘城による上原子友康へのインタビューもあります。

*2:宮藤官九郎作品てそういうとこある。