いだてん

実次兄ちゃんとのお別れが替り目。田舎で無名で情けなくも知性と優しさのある美しい地上の人だった。名残惜しい。枕元に来た四三の涙と、幾江さんの言葉全てが余計名残惜しくさせた。実次とずっとワアワアやってきた幾江さんの強い言葉に含まれる感情の深さは言うまでもないけれど、いま第2部の世界、悪口河童を主役に据えた世界ではまた一層響きを深めるように思う。物凄く単純に言っちゃうと、自分の心を自分の言葉で話している。ちゃんと聴いてわかりたいと思う。思うけどもまーちゃんはほんと呼吸するように悪態を挟みますね。認めてくれてる岸さんに顔悪いとか言わなくていいんですよ。阿部サダヲ岩松了のシーン見られて楽しかったけれどもよ。カクさん、代表チームだけでなく田畑さんのことも引き続き監督してくれ。孝蔵が納豆売るシーンは似合わな過ぎて出オチ的に笑ってしまった。おりんさん、出てくるたび強く美しくなってってる。その後のおりんさんがなんともない顔でたい焼き頬張ってるの思い出すに微笑ましく思えてしまう。未来を思い出して微笑ましいってのもおかしな話ですがそういうドラマなんだもんで。ラスト、四三と田畑のシーンは虚実見事に混ぜるこのドラマにおいては不思議なほどパラレルワールドに見えた。作り手の思いが生み出す夢のようなシーンなんだと思えて気持ちが温かくなる。田畑政治の問いに対する金栗四三の回答がどうにもここまで見てきた金栗四三らしすぎて、嬉しさとともに貴方を送り出すことができた。ありがとう。田畑は気づけば32歳。そろそろ20代の顔じゃねえなと思っていたよ。どんどん生きていろんな顔見せてくれ。

松尾スズキプロデュース 東京成人演劇部 vol.1 『命、ギガ長ス』

部活と称したザ・スズナリでの松尾スズキ公演、それは観にいく。座席の前後間隔きゅうきゅうだけど段差しっかりあって大変見やすかった。舞台の床もツルツルの木で部活的な懐かしみを覚える。ああもっとこういうの気さくに気軽にやってくれていいぜ、連載してくれていいぜなどと思う帰り道。実際相当たいへんらしいんでアレですけど。なお本日収録有り。

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いだてん

人見絹枝、菅原小春、凄かった。どの表情も雄弁でした。ロッカールームのあのシーン、共感なんて到底追いつかず、ただ彼女から吹いてくる豪風に煽られて涙が出たような感覚。800mのシーン、あのように語りを伴いながらにしてこんなにも臨場感が生まれるの、総合すると演出の力ということなのだろうなあ。話芸的でありメディア的でもあって、ひとりの走りがこんな風に皆の心に届いていくものになるんだなあと噛みしめた。実際当時生中継なかったのですもんね。新聞社内では皆が一緒になって一喜一憂していたけど、陸上が勝つと河野が言葉にならず、水泳が勝つと田畑が泣いていたの印象的でした。体協での選考会議で、選手の心は監督・コーチが守れよと喚く田畑に金栗さんの表情が動いたのも印象深い。どこを切っても言葉に表れないものがこれでもかというほど詰まっている。相変わらず田畑さんは切れ目も遠慮もなく喋っているけれど。カクさんフォロー大変だと思うけど長生きしてまーちゃんのことビンタし続けてください。女子のオリンピック出場という初めての地平に踏み出すにあたり、いろんな人の中でシマちゃんが生きていて後ずさりを食い止めたと思う。人見さんに降りかかるプレッシャーに金栗さんのこと思い出すし、戦略を練り現場でも指示を与える仲間がいることに当たり前でない価値を感じる。全て積み重ね、即ち歴史の為す業だ。

いだてん

田畑政治編、開幕。たった1話で「黙ったほうがいいですよ」と数えきれんほど思わせてくれる男です。そしてこれまでの登場人物の誰にもできなかった大逆転を見せてくれる男。第1回の羽田運動場で金栗四三が与えたそれに匹敵するカタルシスを、彼は"金取ってくる"という形で巻き起こした。孝蔵の火焔太鼓で超絶ブーストをかけながら。田畑と落語の相性、凄まじく良い。基本的には落語を追い抜くスピードで喋るけど、そしてそういうとき大体思慮が追いついていないようだけど、足並みが揃ったときの迫力と説得力よ。クライマックスは勿論のこと、ローズで入手した新元号情報が社に戻って思い出せないときの志ん生とのシンクロも完璧だった。嬉しい。逆にちょっとショックだったのはパリ五輪の報告会での体協の見え方で、同じドラマの筈なのに今日は遠く見えたし少し残念にも見えた。先週までずっと寄り添って見つめてきたけれど、世間からはこんな風に見えていたのかもしれない。それでいて、嘉納先生にくってかかった田畑が投げられたのには「そりゃそうだ」という清々しさがありました。気持ちを引き寄せる力があるのに、好かれようという態度がまったく見られない。なんなの、裕福な生まれのせいなの。三島天狗とぜんぜん違う。

いだてん

金栗四三編最終回、総力戦。美川以外の総力戦。事実に基づいてなお夢のような物語。もっと、冷静に見られないもんかね。そういうつもりで録画を見返しても2、3回じゃ無理だった。回数の問題ではないんじゃないかこれは。いだてんおもしろいなあ。いだてんおもしろい。

怒髪天、もっと!もっと!愛されたくて35年。 大怒髪展 2019 "雑エンターテインメント"

O-EASTとWESTを押さえて2ドリンクで6時間。いやさ押したので7時間。開演14時、オープニングアクト*1でEASTのサブステージに登場した増子直純が挨拶とともに発した別タイトルは「オヤジの一番長い日」。朝9時入りだそうです。声がガスガスだ。最初「オモロックフェスティバル」にしようかと思ったとも言っていた。で結局「雑エンターテインメント」に落ち着いてる訳ですが、これは雑なのか過剰なのか。画鋲・レキシ・怒髪天。三組三様ずっと可笑しかった。

*1:怒髪天怒髪天はこのあと全てのステージに誰かしら登場し続けます。

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