いだてん

今日のタイトルは「おかしな二人」。金栗四三三島弥彦、公式初対面の巻。悉くお互いにないものを持っている、対照的な二人のオリムピック選手である。それはそれとして今回最もおかしみのあった二人は蟹と肋木、もとい可児さんと永井さんだったと思う。二人が協会の同僚として陰口喋ったり五輪随行のこと話してたりする様子もなんかよかったです。しかし可児さんの持つ独特なペースが場の空気を作ったり緩めたりしているシーンがちょくちょく見られて、重要だなー。四三の練習に付き合ったり、熊本からの手紙を一緒に読んで泣いたり、いい顧問。そしていろんな二人の対峙という点でいうと嘉納治五郎先生の独り勝ち。借金には全く勝てていないようだけど、対ヒトにおいては最強ではなかろうか。人の心をよく見て、どう触れることでどう動くかを考えている。柔道もそういうことだったりするのだろうか。そうこうしてる間にストックホルムそこまで来ている。なぜ走るのか考える四三の気持ちを置き去りにしそうな速さで。トロフィーをお金に代えようと決意する寮の部屋での後ろ姿見て、急にこの人死んでしまいかねないという気持ちが過った。さて今日はたけしと美濃部、じゃなかった志ん生と美濃部は登場少なめでしたが、四三と美濃部のすれ違うシーンよかったなあ。下手すりゃ先週の橋の上での鮮やかなすれ違いよりも好きかもしれない。

ラブレターズのコントライブ『秋が終われば私もいない。冬には忘れていてほしい』

ユーロライブの60分コントライブシリーズ、2019年一発目。個人的にも今年一発目に観る劇場公演でした。毎回、溜口私物のでかいテレビを持ち込んで舞台中央に据えていたのが、今回スクリーンに投影。収録用のカメラも入りました。

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テーマ曲直前の「行ってくれるね」「行きとうなかです」「なにーっっ!!」「(ショック顔)」で爆笑。嘉納治五郎金栗四三、なにひとつ噛み合っていない。先週の抱擁が与えた感動どこ行きましてん。校長室のシーンは一貫して笑いと真剣の二大車輪が互いに譲らず火花が散るほどに走って、結果物語が極めてまっすぐ進んでいく様に痺れました。四三がいくら勧められても嘉納先生の前で決して座らないこと、オリンピックがそもそも何なのかもさっぱりわかっていないこと。どう見ても笑っちゃうけど同時にあの頃の一日本人の姿なんだと知らされる。そんで本当に無かったんだな日本にオリンピック。1話で嘉納先生が役人相手に憤慨したけれど、才能ある若者ですらまだ知らないんだスポーツを。そのことでまたエキサイトしてしまう嘉納先生も、後日四三が改めて校長室を訪ねた際に穏やかにオリンピックのこと説明する嘉納先生も、ひとりの人間として深く一途でまた多面で、見ているこちらの心を掴んだ。この合間で中国人留学生のために大借金を決意し、そのこともあって四三に渡航費自腹で出したほうがいいみたいなこと言ってしまう、その諸々含めて。とつけむにゃあ御人だ。この人がいなかったら事は動かなかっただろう。そして可児さんは胃袋幾つあっても足りないくらい穴開きまくるだろうな。しかし可児さんが作ったトロフィーもここまでドラマに絡んでくるとは思いませんでした。無駄金ではないと言ってくれた嘉納先生と、それ以上責めずに結局何人行けるのかを尋ねてくれた永井さんとか。トロフィーを返すと言った四三とか。学生を守るための借金でぐったりした気持ちの時にやってきた別の学生が真面目に申し訳なさそうにトロフィー差し出す姿、そのときの嘉納先生の気持ちよ。オリンピックのことちゃんと話せてよかった。あとは金である。あー金難しいー。そしていよいよ地図で示すほど明白に、花火が照らすほど鮮やかに、四三と美濃部孝蔵の駆ける道が重なる。早く孝蔵の落語聴きたいなあ。森山未來は身体だけでなく言葉でも躍動を操ってる。

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第5回、そして第1回へ。こうして5回をかけて第1回、始まりの物語を見る。ここまで金栗四三嘉納治五郎も色々を経ているのに、こうして見るとここが、この日この時この場所がスタート地点としか思えない。世界記録より20分以上速いというのが、どこか現実味を欠くようにも、そして世界にまだ含まれない“未開”にいるようにも響く。夢のようなノンフィクションの始まりを描きだすフィクション。楽しいなあ。そりゃ可児さんも泥酔するよ。溢れる優しさが一切出ない顔質の永井さんの鬼フェイスもよかったです。実際相当な人数がリタイアしたのだった。鬼フェイスでは播磨屋も負けてない。播磨屋の新しい物語もここからだ。美川くんの物語はまだ始まらない。大きな猫を抱いて、胃を弱らせ饅頭を断るばかり。三島天狗の物語もまだ始まってはいない。三島天狗の清々しい主役気質、生田斗真で見た後に実在の三島弥彦の顔を思い浮かべたりしていた。さて一方の浅草、美濃部孝蔵の物語もいよいよの幕開き。ずっと黙って見てたけど終始円喬の格好よさときたらなかった、声出そうだった。松尾スズキ、どうした技を持っているのか。円喬がなんの素振りもなしにただ格好よかったから、孝蔵の憧れが素直に流れ込んできた。だから円喬の鰍沢を聞いた孝蔵が車の幌を出そうとした一連で少し泣きそうになったんだ。

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第4回、四三マラソン大会で銅メダル。そしてどうやら次回あのオリンピック予選だ。5回にしてぐるっと最初に繋がることになる。今回、時代物の人物の話じゃないし主人公2つの時代で2人いるしで、物語のスパンが通常の大河以上にわからないしこのペースが早いのかどうなのかもわからない。案外もう近いのかストックホルム。一方今回登場したピエール足袋の播磨屋に、何やら五りんも縁があるとかないとか。いつもなら教科書なり小説なりそれこそ過去の大河なりで知ってる歴史の事実の点と点を物語が繋いでいくところ、『いだてん』はこの点々を種蒔きするところからやっている。「あのオリンピック予選」て1行目に書いたけど、今年に入るまで私知らなかったんですからそんな予選。こちらも今回から登場のおもしろコンビ大森兵蔵・安仁子夫婦、終始ネタやってるのかという堂々っぷりでした。こないだマラソンに出会って、きょう足袋に出会って、四三はすくすくと成長に忙しい。その同じ時間軸の中で美川くんや弥彦が真っ直ぐ走れない道に差し掛かっている様子も興味深いです。いま何を思っていて、これからどんな大人になっていくんだろうな。

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いだてん上京。この頃の上京がもたらす異世界感、浅草と天狗たちが担ってる。一方で現代の、東京に程近い町に住んでる私からすると、四三の故郷の鮮やかな景色もまた別世界だ。ほんとうに緑が美しくて高低差があって、高く空から見下ろすアングルで何度も心奪われる。先週あんなにかっこよかったお兄ちゃんは早くも田舎のおっさんとなり、別れの駅で猛烈に鼻水を垂らしていたけど、あれはあれであの場所で健康的な年の重ね方をしていると思うし、変わらず四三の揺れを察してくれている。四三はいい家族に育ったな。手紙を皆で読んでいる様子など見ていてもそう思う。美川君は早くもおもしろ枠にいるように見えますが大丈夫でしょうか。永井舎監は愛する肋木を自ら罰扱いしてますが大丈夫でしょうか。そんな罰棒の間に四三が見た未来の始まり。肋木でも蓮根でも見えるときには見えるんだと思う。スローモーションで訪れたマラソンとの出会いの瞬間、美しかった。人がこれから好きになるものと最初に出会う瞬間を、そうなると知っていてこんな風に目撃できるのは幸せだ。やっぱり歴史のドラマなんだな。どこかに行くためじゃなくても走っていい。成程スポーツだ。スヤさん、可愛い顔と可愛い声のまま自転車で爆走する凄さは事前番組で何度か拝見してたけど、転んだあとに遠ざかる汽車を見る表情とてもよかった。それにしても第1話で見たシーンの数々に、思ったよりも早く追いつきそうな勢い。今日既に治五郎先生の「ペ」を抜き去っている。

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第2話、金栗四三物語始まる。いちばん小さい頃の四三役・久野倫太郎、台本渡さずに演ってもらったらしいと記事などで見かけたけど、そうでしょうなあと思う。どう見ても台本貰ってできる芝居じゃない。芝居なのかわからないくらい。台詞自体が少なくて、それがまた凄く凄くよかった。お父さんの虚弱と嘘をあの小さな身体に受けて宿して、小さな四三よ何思う。自分の中のお父さんとの対峙はいつかやってくるだろうか。優しいのか情けないのか、頑張っているのかいないのか父役の田口トモロヲよかったです。金栗家で父に代わり父役を務める長兄・実次の中村獅童も。こういう役を演るんだなーと何か勝手に感慨深い。そしてスヤさん登場。あんなに四三の可愛さに舌を浸したあとでもまだ新たに可愛さの味がするぜ。綾瀬はるかの直球強い。なんならまだ手加減してるのよという感すら漂っている。四三が彼女のことを評する心の第一声が「なんだこの女」的であるのも、意識の始まりが言語化されるような感覚で心地よかったです。で、時を同じくして全く関係なく始まる古今亭志ん生物語。松尾スズキ森山未來のマンツーマン始まるの楽しみだなあ。それでいうとビートたけし神木隆之介のマンツーマンもあるのだなあ。